(20231015)
ロジカルライティングとは、論理的にわかりやすい文章を書く方法です。WEBライターにとって、ロジカルライティングは必須スキルと言えます。なぜなら、WEB記事は多くの人に読んでもらうことが目的であるため、読み手に内容を正確に理解してもらうことが重要だからです。
ロジカルライティング
ロジカルライティングの基本は、以下の4つです。
●明確な目的意識
まずは、文章を書く目的を明確にしましょう。目的が明確になっていないと、文章が散漫になり、読み手に伝わりにくくなってしまいます。
●論理的である
文章は、結論→理由→具体例という流れで構成するのが基本です。結論を先に示し、その理由を説明することで、読み手に論理的な流れを理解してもらいやすくなります。
●簡潔にわかりやすく書く
難しい言葉や専門用語は、できるだけ避けましょう。また、文は短く、段落を分けることで、読みやすくなります。
●構成を組み立てる
文章を書く前に、構成を組み立てておきましょう。構成を決めておくことで、文章がまとまりやすくなり、書きやすくなります。
ロジカルライティングのコツは、以下のとおりです。
・事前に情報を整理しておくことで、論理的な文章を書くことができます。
・主語と述語を明確にすることで、文章がわかりやすくなります。
・結論を先に示すことにより、読み手に文章の流れを理解してもらいやすくなります。
・重要な内容は、繰り返し示すことで、読み手に覚えてもらいやすくなります。
如何に読ませない文章を書くか
WEBライターにとって、読ませない文章を書くことは重要なスキルです。なぜなら、WEBライターは、読み手に最小限の情報で物事を正確に伝えることが目的であり、読み手にじっくり読みこまないと理解できないと、本来の目的を達成できないからです。
●楽しみの文章とビジネス文章は違う
楽しみの文章は、読み手が自分の興味や関心に基づいて読むため、多少長くても読み進めることができます。しかし、ビジネス文章は、読み手が自分の業務に必要な情報を得るために読むため、読み手は読む時間をできるだけ短くしたいと考えます。
●読ませないで、情報を伝達する工夫が必要
そのため、ビジネス文章では、読ませないで、情報を伝達する工夫が必要です。具体的には、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
・結論を先に示す
結論を先に示すことで、読み手に文章の要点を理解してもらいやすくなります。
ビジネスにおいて、部長などは、要約のみで十分なので、はじめに要約された結論が書いてあると、全部を読まなくても担当に指示を出すことができます。実際の担当者が最後まで読めば良いのです。
・簡潔に書く
適切な言葉や用語を使って、わかりやすい言葉で簡潔に書きましょう。難しい言葉や専門用語は、できるだけ避けた方が良いです。しかし、専門家に説明する場合は、あえて、専門用語を使った方がわかりやすいこともあります。読み手を意識して、適切な文言を選びましょう。
・段落を分け、余白をつける
段落を分け、余白をつけるることで、読みやすくなります。文字がギッシリ詰まっている。全体的に、黒っぽく、ごちゃごちゃに見えます。これだと、感覚的に、読みづらく感じます。空間をもっと広く使いましょう。
文章構造
●文章力
文章力とは、情報を正確に、わかりやすく伝える能力です。WEBライターにとって、文章力は必須スキルです。なぜなら、WEB記事は多くの人に読んでもらうことが目的であるため、読み手に内容を正確に理解してもらうことが重要だからです。
●文章の良し悪しは、”てにをは”の問題ではない
”てにをは”は、文章を正しく書くための基礎的なルールであり、”てにをは”を間違えると、文章が誤解を招く可能性があります。しかし、”てにをは”を正しく書くだけでは、読み手に内容を正確に理解してもらうことはできません。
●文章の良し悪しは、文章構造の問題
文章の良し悪しは、文章構造の問題です。文章構造とは、文章の構成や流れを指します。文章構造が適切でないと、読み手に内容が伝わりにくくなり、文章の良し悪しが低下してしまいます。
●具体的な文章力構造
文章力を改善するには、具体的な文章構造を意識することが大切です。ここでは、よく使われる文章構造をいくつかご紹介します。
アブストラクト、ボディ、コンクリュージョン(総論・本論・結論)
これは、最も基本的な文章構造です。
総論(アブストラクト):伝えたいことを簡潔に書きます。
本論(ボディ):説明本体
結論(コンクリュージョン):まとめ
●起承転結
これは、古典的な文章構造です。
起:導入部
承:展開部
転:転換部
結:結論部
※ビジネスでは起承転結なんてありえません。これは物語を書くときに使う文章構造です。”起承”と来て、”転”で転ばせてどうするって感じです。
シナリオライターには向いているかもしれません。
全体の構成は、段落単位(パラグラフ)で構成する
パラグラフとは、文章を段落ごとに分けることです。段落ごとに内容をまとめることで、読みやすさを向上させる役割があります。
●パラグラフのメリット
パラグラフには、以下のメリットがあります。
読みやすさが向上する
文章の流れが把握しやすくなる
主題や内容が明確になる
文章の構成がわかりやすくなる
●パラグラフの書き方
パラグラフを書く際には、以下の点に注意しましょう。
1つのトピックを1つのパラグラフにまとめる
主語と述語を明確にする
簡潔でわかりやすい言葉を使う
パラグラフの冒頭にトピックセンテンスを入れるとよいでしょう
●トピックセンテンスとは?
トピックセンテンスとは、パラグラフの冒頭に置く要約文です。段落のテーマや主旨を簡潔に述べたものです。
●トピックセンテンスのメリット
トピックセンテンスには、以下のメリットがあります。
読み手に文章の要点を理解してもらいやすくなる
読み手の興味を引きやすくなる
文章の構成がわかりやすくなる
トピックセンテンスの書き方
●トピックセンテンスを書く際には、以下の点に注意しましょう。
簡潔でわかりやすい言葉を使う
主語と述語を明確にする
段落で述べる内容の要点をまとめる
トピックセンテンスは、パラグラフの冒頭に置くことで、読み手に文章の要点を理解してもらいやすくなる重要な要素です。トピックセンテンスをわかりやすく書くことで、読み手の興味を引きやすくなり、文章の構成もわかりやすくなります。
読み手の予測(メンタルモデル)に合わせて文章を構成する
読み手が文章を読む際、その内容を理解するためには、文章の流れや展開を予測します。この予測を「メンタルモデル」といいます。
読み手の予測通りに文章が展開されると、読み手は内容を理解しやすくなります。逆に、予測が崩れると、読み手は理解に苦労することになります。
●予測通りの展開が理解を深める
読み手の予測通りに文章が展開されると、読み手の理解度が向上します。なぜなら、読み手は文章の展開を予測しながら読んでいるため、文章の意味を理解するために必要な情報を先取りして理解することができるからです。
例えば、以下のような文章を考えてみましょう。
今日は、Qの効能について説明します。Qは、○○に有効で、△△効果があります。Qは、AX、BY、CZで構成されています。
この文章では、冒頭でQの効能について説明する旨が述べられています。そのため、読み手は、Qの効能について具体的な内容が説明されるだろうと予測します。
その後、AX、BY、CZのそれぞれの構成要素について説明されています。このとき、読み手は、Qの効能を説明するために、AX、BY、CZのそれぞれの構成要素がどのように関係しているのかを予測しながら読み進めます。
このように、読み手の予測通りに文章が展開されると、読み手は内容を理解しやすくなります。
●予測が崩れると理解が進まない
読み手の予測が崩れると、読み手は理解に苦労することになります。なぜなら、読み手は文章の展開を予測しながら読んでいるため、予測が崩れると、文章の意味を理解するために必要な情報が不足してしまうからです。
例えば、以下のような文章を考えてみましょう。
今日は、Qの効能について説明します。Qは、○○に有効で、△△効果があります。Qは、AX、BY、CZで構成されています。
この文章では、冒頭でQの効能について説明する旨が述べられています。そのため、読み手は、Qの効能について具体的な内容が説明されるだろうと予測します。
その後、AX、BY、CZのそれぞれの構成要素について説明されています。このとき、読み手は、Qの効能を説明するために、AX、BY、CZのそれぞれの構成要素がどのように関係しているのかを予測しながら読み進めます。
AXは、。。。。。。
Aは、。。。。。。
Xは、。。。。。。
BYは、。。。。。。。
Bは、。。。。。。
Yは、。。。。。。
CZは、。。。。。。
Cは、。。。。。。。
Zは、。。。。。。。
しかし、実際には、AX、BY、CZのそれぞれの構成要素がQの効能とは関係のない内容であったとします。この場合、読み手の予測は完全に崩れてしまいます。
このように、読み手の予測が崩れると、読み手は理解に苦労することになります。
●予測通りに文章を構成すると読み手の理解度は増す
読み手の予測通りに文章を構成することで、読み手の理解度は増すことができます。そのため、文章を書く際には、読み手の予測を意識して文章を構成するようにしましょう。
パラレリズム
パラレリズムとは、同じ種類のモノを同じリズムで並べる表現手法です。
以下に、パラレリズムの具体的な例をご紹介します。
●文章の流れをわかりやすくする例
朝、起きて、顔を洗い、朝食を食べて、出かける。
この文章では、「起きて」「洗って」「食べて」「行く」という同じ種類の動作を同じリズムで並べることで、文章の流れをわかりやすくしています。
●数値データの並びをわかりやすくする例
2022年の日本の人口は1億2,500万人、中国の人口は14億4,420万人、インドの人口は14億1,210万人である。
この文章では、「日本」「中国」「インド」という同じ種類の国の名前を同じリズムで並べることで、数値データの並びをわかりやすくしています。
●モノや人の特徴をわかりやすくする例
彼は、優しい、思いやりのある、頼りになる人である。
この文章では、「優しい」「思いやりのある」「頼りになる」という同じ種類の特徴を同じリズムで並べることで、モノや人の特徴をわかりやすくしています。
●同じ種類のモノは同じリズムで
①概要
・数値データ
・特徴
②概要
・数値データ
・特徴
③概要
・数値データ
・特徴
パラレリズムは、文章の流れをわかりやすくするために効果的な表現手法です。同じ種類のモノや特徴を同じリズムで並べることで、読み手に内容を理解してもらいやすくなります。
説明は既知から未知へ
既知から未知へとは、読み手に馴染みのある情報から、徐々に未知の情報へと導く表現手法です。この表現手法を使うことで、読み手の理解を促進し、文章を読みやすくすることができます。
●主語を統一する
主語を統一することで、文章の流れが明確になります。
例えば,
“a”は、食べ物です。食べ物は、生き物が生きていくために必要なものです。食べ物には、さまざまな種類があります。食べ物は、私たちの生活に欠かせないものです。
この例文では、主語を「食べ物」に統一することで、文章の流れがわかりやすくなりました。
●引継ぎをする
引継ぎをすることで、読み手に内容を理解してもらいやすくなります。
例文
“a”は、食べ物です。食べ物は、生き物が生きていくために必要なものです。**生き物が生きていくためには、**エネルギーが必要です。**エネルギーは、食べ物から得ることができます。
この例文では、2つ目の段落の冒頭で、1つ目の段落で述べた内容を「生き物が生きていくためには、」と引継ぎすることで、読み手に内容を理解してもらいやすくなりました。
●主語を統一
“a”は、____”b”______。
“a”は、____”c”______。
“a”は、____”e”______。
“a”は、____”f”______。
●引継ぎ
“a”は、____”b”______。
“b”は、____”c”______。
“d”は、____”e”______。
“e”は、____”f”______。
1文はひとつのポイントに絞る
ワンセンテンス、ワンミーニングとは、1文はひとつのポイントに絞って、わかりやすく書くという表現手法です。この表現手法を使うことで、読み手に内容を理解してもらいやすくなります。
●並列を表す、”~し、”や”~り、”を使わない
並列を表す「~し、」や「~り、」は、文章が長くなり、読みにくくなる可能性があります。そのため、これらの表現は避け、1文はひとつのポイントに絞るようにしましょう。
●”て””り””が”で二つの文を接続しない
「て」や「り」は、文章をつなぐ接続詞です。しかし、これらの接続詞を使うと、文章が長くなり、読みにくくなる可能性があります。そのため、1文はひとつのポイントに絞り、無理に2つの文をつなぐことは避けましょう。
誰でも同じ理解になるように説明する
WEBライターは、文章を読みやすく理解しやすいものにすることが求められます。そのためには、誰でも同じ理解になるように説明することが重要です。
具体的には、以下の5つのポイントを意識しましょう。
●具体的な単語を使う
抽象的な表現ではなく、具体的な単語を使うことで、読者はイメージしやすくなります。例えば、「最低限の在庫」を「3日分の在庫」と表現すると、より具体的になります。
●肯定形で表現する
否定形は、否定の言葉を加えた分、理解しにくくなります。そのため、可能であれば肯定形で表現するようにしましょう。例えば、「あれを使うな」を「これを使え」と表現すると、より肯定的になります。
●修飾語に注意する
修飾語は、言葉をより具体的に表現するためには有効ですが、使いすぎると逆にわかりにくくなります。修飾語は、必要なものだけを適切に使うようにしましょう。例えば、「複雑なソフトウェアのテスト」を「ソフトウェアの複雑なテスト」と表現すると、修飾語を減らすことができます。
●曖昧な単語を避ける
曖昧な表現は、読者によって解釈が異なるため、避けるようにしましょう。例えば、「5月中」を「5月30日(少なくとも5月末)」と表現すると、より具体的になります。
●読点を正しく打つ
読点は、文章の意味を明確にするために重要な役割を果たします。読点を正しく打つことで、読者は文章をより理解しやすくなります。例えば、「黒い目のきれいな女の子」を「黒い目の、きれいな女の子」と読点を打つと、女の子の目の色と容姿を区別しやすくなります。
これらのポイントを意識することで、誰でも同じ理解になるように説明することができます。WEBライターとして、ぜひ参考にしてみてください。
細かいけど、重要なライティングテクニック
WEBライターは、文章を読みやすく理解しやすいものにすることが求められます。そのためには、細かい部分にも気を配ることが重要です。
ここでは、WEBライティングにおいて重要な、細かいテクニックをいくつかご紹介します。
●常識は人それぞれ異なる
常識は人それぞれ異なるため、自分の常識は他人の常識とは限りません。常識だからと言って説明を省かず、丁寧な説明をしましょう。
●読み手が誰かによって書く内容/詳細度が異なる
読み手が誰かによって、書く内容や詳細度が異なる場合があります。例えば、専門家向けの記事と一般向けの記事では、専門用語や難しい表現を避ける必要があります。また、読み手の知識や経験を考慮して、説明の詳細度を調整しましょう。
●ナンバリング
要点やポイントを整理するために、ナンバリングを使用すると効果的です。ナンバリングすることで、読者は文章の構造を把握しやすくなり、理解しやすくなります。
●ファクトベース
事実に基づいて文章を書くことを意識しましょう。事実を示すデータや根拠を明確にすることで、説得力のある文章になります。
●一文は短く
一文が長すぎると、読みにくくなってしまいます。一文は、できるだけ短く簡潔にまとめるようにしましょう。
●否定文より肯定文
否定文は、肯定文よりも理解しにくい場合があります。そのため、可能であれば肯定文で表現するようにしましょう。
これらのテクニックを意識することで、より読みやすく理解しやすい文章を書くことができます。WEBライターとして、ぜひ参考にしてみてください。
終わりに
本記事では、WEBライターにとって重要なスキルである「ロジカルライティング」について解説しました。
ロジカルライティングとは、論理的にわかりやすい文章を書く方法です。明確な目的意識を持って文章を書き、結論を先に示すことで、読み手に内容を理解してもらいやすくなります。
誰でも理解できる文章の書き方とは、具体的な単語や肯定形を使い、一文は短く簡潔にまとめることを意識することです。また、読み手の知識や経験を考慮して、説明の詳細度を調整することも大切です。
これらのスキルを身につけることで、より読みやすく理解しやすい文章を書くことができるようになります。ぜひ、本記事で解説した内容を参考に、WEBライターとして活躍できるようになりましょう。
以上
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